50代男性　右腰の痛みと右太ももの痺れを訴えて来院

大田区在住の方が右腰の痛みと右太ももの痺れを訴えて来院した。
来院1ヶ月前から発症し、病院でMRIを撮影した。椎間板の異常などは画像上認められなかったため、ヘルニアなどの明確な原因がわからなかったが、病院で牽引療法や電気治療、ブロック注射などの治療を受けていた。
しかし、一向に改善される傾向になく、座っている姿勢が一番辛くなってしまう状態であった。
立っているのは楽だがまったく痛くないわけではなく、腰痛が出ると関連して太ももの前が痺れてくるようになった。

施術後の経過

現在5回の施術が終了し、2週間の間隔をあけている。
初回の施術で腰痛としての痛みはかなりなくなったが、痺れはまだあり腰をかがめる動作などはまだ怖いといっていた。
2～3回の施術で痛みが出ることは無くなり腰痛としての症状は改善した。しかし、数日たつと若干だが腰痛の症状が出てくるのと足のしびれも軽減がみられるがまだ感じるような状態であった。
特に腰痛が出始めると強くなってくるような状態であった。
4回目の施術後の経過は良好で、よい状態が1週間維持できるようになったため、5回目は2週間の間隔をあけて様子をみてもらったが、症状が悪く出ることは無く安定している状態を保てるようになっていた。
そのため現在はもう1回2週間で様子をみてもらい、それで大丈夫なのであれば施術は終了しようと思っている。

担当　八住コメント

この方の症状は腰椎の前彎消失と腰部の周囲筋群の過緊張が原因で腰痛となっていたのでしょう。長時間の座り仕事で腰部の前彎が消失し、腰への負担が大きくなったことが考えられます。
下肢へのしびれ感に関しては、腰痛に関連していると思われるのですが、椎間板ヘルニアなどによって起こる神経症状ではないだろうと判断しました。
理由として考えられるのは、まずしびれ感を感じる場所の問題があります。腰部椎間板に関連しての神経が障害を受けると、坐骨神経領域といって大腿部後面から下腿(脛がある部分)の小指側のスネに痛みを訴える場合がほとんどなので、ももの前側ということであれば別の原因によって起こっている可能性が高いであろうと判断。
腰部や骨盤に関連する筋肉、骨盤から脚に伸びていく筋肉などが過剰な緊張状態によって起こる関連痛であろうと考えられました。
関連痛は筋肉由来の痛みで筋筋膜痛症候群とも呼ばれ、この痛みの感覚はしびれ感として感じられるので、神経痛と誤診されやすい症状でもあります。
そのような判断で、腰痛の原因が取れれば脚のしびれも軽減～消失していくだろうと考えて施術していったら、腰痛と共に軽減しているので安心しました。

2011年06月04日 16:46更新