40代女性　腕が痛くて上がらない！

肩の痛みで来院。この痛みが始まったのは昨日からで腕を上げる動作や下着をつけるような動作で痛みが増す。じっとしているときでも筋肉がつったような痛みを感じている。1週間くらいまえから腰に手が回りにくくなったり下着を着けにくい感じはしていた。さらに半年前から、慢性の肩こりとは別に右肩に重い感じや違和感を感じ始めていた。 現在はじっとしていても痛みがあり、動かすととても痛みがあるので、このまま腕が動かなくなってしまうのではないかと不安がある。また趣味でフラダンスをやっているので、腕が動かないと困る。

来院時の症状

肩関節屈曲170度
肩関節外転170度
肩関節内旋　痛みのため不可
　 　　　外旋　痛みのため不可
右手を腰に回せない。
ローテーターカフの過緊張
肩関節と上腕の屈筋群と伸筋群に緊張
肩が上がらなくなることへの不安が強い

施術後の経過

初回：ローテーターカフの筋膜リリースと肩関節、胸郭、胸椎、頚椎のモビリゼーション、胸筋群の緩和操作などを行い、ストレッチとエクササイズを指導。術後、腰に右手が乗せられるように。
2回目（2日後）：じっとしているときの肩の痛みは消失。可動域も上がっている（屈曲は180度、外転も175までＯＫ）。前回のアプローチを継続。
３回目（１週間後）：かなり良い感じ。腕をねじる動きはまだ痛みが出るが、以前よりはだいぶ楽。
４回目（２週間後）：右の腕が痺れるようになってしまった。検査したところ、右腕の痺れは前腕の筋肉のオーバーユースと判断、緩和操作とストレッチを行った。術後腕の痺れは消失。前腕のストレッチを指導。
５回目（３週間後）：だいぶ良い。屈曲ＯＫと外転１２０～１５０度でやや痛みが出るが、１８０度まで上がる。内旋と外旋は動きにくい感じと痛みが強い。

担当　コメント

いわゆる四十肩の初期症状と判断して施術を行っています。四十肩の原因は諸説ありますが、状態としては肩関節の支持組織であるローテーターカフと関節包など周囲の組織がなんらかの原因で損傷し、炎症を起こしてしまうことで痛みを出します。
このケースでは肩周囲の筋群に明らかな過緊張が見られたため、まずはそこにアプローチし痛みを最小に抑えることを優先しました。２回目に来院した時点で自発痛（じっとしているときの痛み）は消失しており、動作時痛もかなり軽減されていました。現在はゆっくりであれば痛みなく腕を動かせる状態になっています。来院の間隔を空けながら、肩関節の可動域を広げ動作時の痛みを減らす目的で施術を続けています。
四十肩、五十肩は発症すると元通りになるまで数年かかるといわれています。カイロプラクティックの施術でも長期的に施術を継続することが重要になりますが、痛み自体は早期に取ることが可能な場合が多いです。じっとしている時の痛みだけでもなくなると、それだけで生活のＱＯＬは上がります。

2012年08月24日 13:27更新