30代女性　妊娠中（妊娠７ヶ月）のぎっくり腰

妊娠5ヶ月くらいから左の臀部（尾てい骨の左側あたり）に痛みを感じ始めた。4，5日前から痛みが強くなり始め、現在は体勢を変えるたびに激しい痛みが出る。じっとしているときはあまり痛みが出ない。

来院時の症状

体勢を変えるたびに激しい痛みが左の尾てい骨が痛い（起きる時、寝る時、座る時、立つ時、歩く時など）
じっとしている時は痛みがない。
トコチャンベルトをすると、少し楽
靴を履く動作や顔を洗う動作、体を前に曲げる動作で強い痛みが起こる
左足を上げることが出来ないため、歩行時もゆっくりでしか歩けない
体を左に倒すと左臀部に痛みが誘発される

施術後の経過

初回：妊娠中のため、腹部を圧迫しないように左を上にした横向きで施術を行った。左の臀部から大腿側面の筋に対して緩和操作と股関節の可動域の調整、骨盤の安定性を高める操作を行った。術後痛みはやや軽減。とこちゃんベルトをすると動作時の痛みがだいぶ減る。
2回目（4日後）：初回の施術を受けた帰りは楽だったが、その夜に左臀部痛が酷くなった。1日安静にしていたら、だいぶ楽。病院で骨盤のレントゲンを取ったところ、特に異常は無いが、痛みが強いようなら入院して安静にするのがよいのではといわれた。2回目の施術では筋肉へのアプローチは最小限に抑え、骨盤の不安定さを改善させるアプローチに専念した。また骨盤の安定させるエクササイズを指導し、自宅でも頻繁に行うように指示した。術後だいぶ楽。足を上げる動作や腰を前後左右に倒すどうさでも痛みの誘発はない。
3回目（1週間後）：朝起きあがる動作では痛みがややでるが、それ以外の動作ではほとんど痛みがない。階段や歩行時も痛みを感じない。前回のアプローチを継続。術後ほとんど痛みなし。
4回目（10日後）：朝はやや痛みが出るが他はだいぶ楽。朝の痛みも当初の1/10程度の強さでそれほど辛くない。腰の動作時の痛みは無くなり、左足を上げる動作や歩行、階段でも痛みの誘発はなし。セルフケアの方法を再確認し、施術を終了。

担当　小川コメント

妊娠中はリラクシンというホルモンが分泌され、骨盤を初めとした関節の可動性が不安定になります。このホルモンの分泌自体は出産にそなえるための妊娠中の正常な生理反応なのですが、骨盤の可動性が極端に不安定になってしまうと激しい腰痛を引き起こす原因になってしまいます。この患者さんの場合は骨盤の左仙腸関節という場所が必要以上に動いてしまう状態になっていたことが痛みの原因でした。初回の筋肉の操作で急激な体の変化が現れたため一時的な症状の波がありましたが、それ以外は特に問題もなく順調に症状が改善されました。セルフケアとして自身で骨盤を安定させるエクササイズをやってもらったこととトコチャンベルトによる骨盤の保護を同時に進めたことが良かったと思います。
妊娠中の体の痛みは、なかなか受け入れてくれるクリニックが少ないと思います。トリニティカイロプラクティックでは、妊娠中でも身体に負担をかけないアプローチで施術を行えます。妊娠中の身体の痛みでお悩みのかた、ぜひご相談ください。

2012年04月29日 18:12更新