40代男性　左臀部の痛み

48歳会社員の方が半年くらい前から左の臀部に痛みを感じるようになった。最初は凝っているような痛みで、仕事が終わるとたまにトントン叩きたくなるような痛みくらいで済んでいたが、2ヶ月くらい前から痛みが日常的に感じられる頻度が増えて常に仕事中から痛みがあり仕事に集中できないと訴えていた。
病院に行きレントゲンを撮られたが特に異常がなく、病院の中のリハビリで電気を当てられたりしたが、一向に改善がみられなかった。
その為、近くの整骨院に行ってみたら骨盤の歪みがあると言われ、矯正を受けた。整骨院での施術は効果があり、病院よりも楽になる感じがあったため数回通った。
しかし、毎回一時的な改善のみで2日後くらいにはまた同じような痛みが繰り返されたため、同じような施術体系で違うところに行ってみようと思い当院に来院した。
 

来院時の症状

初回は週末のお休みの日であったので仕事をしている時よりも痛みの程度は低い状態であったが違和感はあり、痛くなりそうな予兆があるということだった。
違和感は臀部が主だが、最近は腿裏や腰にかけても左側に感じるようになっている。
検査では座っての前屈では大丈夫であったが、立った状態での前屈みは左臀部から腿裏への張り感が感じられた。
骨盤や腰椎の状態にバランスが悪くなっているような歪みは確かに存在しているため、この部分が重心バランスなどで左側に負担をかけている要因だろうと考えられた。
しかし、この部分だけを良くしてもすぐに戻ってしまうだろうと考え、歪む原因を探していかなければならないと考え、より詳しく診ていくと骨盤の前の筋肉の異常もみられるため、前後左右での緊張状態が不具合を起こして骨盤の歪みを作り出し、それが更に負担を左側に偏らせる原因になっていたのであろうと考えられた。

施術後の経過

初回：初回の施術では違和感というレベルだったので、直後は確かに軽るのは当たり前であった。
2回目：初回の施術後1週間の間隔を空けて様子を診てもらったが、やはり数日で戻ったようである。
しかし、今までと比べて痛みの強さがやや低い状態で収まっているような感じだったので、しばらく継続してみようという気になったと言っていた。
3回目：まだ1週間で調子を診てもらってるが、仕事していても1週間の経過では痛みはほとんどでなくなった。
痛みが出そうな気配はあるが、以前に比べたら全然大丈夫になっているといっていた。
4回目：1週間の間では違和感も痛みもなくなり、今までにないくらい快調になったとの事なのでその後は少し間隔を空けてみていくことになった。
現在は2週間に1回のペースで継続している。

担当　八住コメント

この方の症状は典型的に臀部の筋肉の過緊張が原因で痛みが出ていました。
左側の殿筋に偏るような負担が日常的に掛かってしまった理由として、確かに以前整体で言われた骨盤の歪みという状態があったのですが、では逆にその歪みを作ってしまった原因は？というところが根本に近い原因なので、いくら歪みを治してもまた歪んで、同じような負担か懸かるといったことの繰り返しになります。
その為、歪みをとることはもちろんですが、そのような方向に引っ張って行ってしまう筋群を緩めて、過剰な働きを抑制させることや、患者さんが日常的に行っている癖を見つけて注意してもらうようにしなければ、本当の根本からの改善は望めません。
私は根本治療とはどのようなことかを考え、ただ歪みをとったり硬い筋肉を緩めればいいとは思えないので、
何故そのような歪みを作ってしまうのかや何故片側の筋肉だけが過剰な緊張を作り出すのかを見つけ出し、そこを改善させていくことこそが根本を改善させる手段だと考えています。

2011年05月14日 13:09更新