30代女性　左肘の痛みを訴えて来院。

2週間前から左肘の痛みを訴えるようになった。家事をするときや、介護の仕事などで人を支えたり、物を持ち上げようとしたときなどにピキッと来るような痛みが走る。
右手首や肘、肩や腰など症状は全体的に分布しているが、今は左肘が一番痛いためそこをまず何とかしてもらいたいと考えている。
 

来院時の症状

左腕を動かす動作をするだけでズキッとする痛みが出てしまい、肘の曲げ伸ばしが痛いような状態であった。
肘を曲げ伸ばしする動作以外でも、少しねじる動作や手首を動かす動作だけでも響く状態でった。
肩こりや腰痛なども存在するが、痛みの強さとして肘の痛みが最も強かったので、肘の状態をまず改善してほしいとの事であった。

施術後の経過

初回：肘を曲げ伸ばしする動作での痛みはまだあるが、痛くなるまでの角度が深くなったり、痛みの強さが減ったりするところまでは確認できた。患者の希望で全体的に肩や背中も診ていくような施術を心がけた。
2回目：初回施術後すぐに症状が戻ってしまった。その為、肘の施術に集中した。
3回目：前回肘の施術に集中したため、効果は出てその後の痛みが半減以下になった。患者の希望もあり、全体的な施術へ移行した。
4回目：他の部位は楽になったが、また肘の症状が出てきたため、また肘の施術に集中。経過を踏まえると、しばらくそこの施術に集中した方が良いだろうと判断し、その後しばらくは肘の施術に集中した。
現在は間隔を2週間に空けて様子を診ていっているが、2週間に空けた初めの時は2週間目になると痛みが出てくるといったように、間隔を空ければ空けるほど顕著に感じる様になるが、現在は2週間たっても肘の痛みは感じないようになっている。

担当　コメント

この方の症状は様々なところに訴えており、初回時には全部をすぐにでも良くしてほしい(これは患者の希望として当然だと思います)という希望があったので、全体的に範囲を広げて施術してみたのですが、それだと一つ一つの場所には効果が伝わりにくくなってしまします。
しかも、慢性化していればしているほど悪い状態にも戻りやすいので、ものには順序があるように、長年あった色々な症状が1～2回で全てが(この方の場合、両肩の慢性的なコリ・背中のコリ・右腕の痛み・腰痛など)すぐに良く出来ることはないということを証明できる良い症例なのではないかと思われます。
その為、最も痛みが強い肘の症状に対して集中してケアを行なうことによって、その痛みは軽減し、良い状態が保てるようになってきたところです。
そこが2週間以上良い状態を保てるようになったら、そこだけに集中することを行なっていかなくても大丈夫なので、施術の範囲を広げていくといった方法を取っていきます。
皆様も慢性的な症状や年齢が高くなればなるほど、症状が取れにくかったり戻りやすかったりするので、そのようになる前にしっかりとケアをしていくように心がけてください。

2011年07月02日 16:26更新