三ヶ月ほど前から投球時に右肩に痛みが出るようになった。痛みが出た後は数十秒間焼けるような痛みが出る。しばらくすると痛みなく普通に動かせるようになるが、痛みが出ている間は動かすことができないほどつらい。バッティングや走塁などでは痛みは出ない。
来院時の症状
・全力投球でしか痛みは誘発されない
・シャドーピッチング、キャッチボール程度では痛みは出ない
・手首を主に使ったスナップショットなら痛みは出ない
・日常生活では痛みは出ない
施術後の経過
肩甲骨にある肩のインナーマッスル――ローテーターカフ――が上手に動かせていなかったため、筋力検査でエラーが出た。しっかりと使えるようにPIRやPNF、ARTなどを用いて筋力の正常化を図った。背骨、肋骨の動きにも減少が見られ、ローテーターカフに必要以上の負荷をかけていると思われたので、こちらも可動性をつけるように施術。施術後は肩は軽くなり、動かしやすくなったとのことだったが、投球時の痛みについては「野球の練習をしてみないと分からない」とのことだった。
二回目は一週間後――野球の練習の次の日――、ある程度全力投球をしても痛みは出なかった。だが、全力で10球程投げたあたりから徐々に痛みが現れ始め、施術前と同じ状態に戻ってしまった。二回目は前回の施術に加え、腰・骨盤のインナーマッスルの再教育も同時に行った。
三回目も一週間後、20球ほど全力投球をしても大丈夫だった。そのあと数球投げていると少し違和感が現れたので、大事をとってそこで投球を終了した。焼けるような痛みは出ていない。
四回目の施術時には普通に野球をする分には痛みが出ることはなくなった。
現在、三週間に一度のペースでメンテナンス中
担当 コメント
今回のケースは姿勢の崩れから肩甲骨を支えている筋肉に過剰な負荷がかかってしまい、それが投球動作に悪影響を及ぼしている状態でした。痛みが出始めたのは三ヶ月前という事でしたが、おそらくそれ以前から肩に負担のかかる投げ方をしていたのでしょう。
肩甲骨の可動性を上げ、背骨・肋骨の動きの改善、下半身との連携も上手に取れているとは言えない状態でしたので、そこも併せて施術を行っていきました。指導していたストレッチを日々しっかりと行ってくれていたことが早期改善につながったと思います。