40代男性　ストレートネックをともなう首の痛みと腕の痺れ

港北区在住の男性が左手の痺れと首の痛みを訴えて来院した。
症状は3ヶ月ほど前から始まり、最初は軽い寝違えを起こしたような感覚で、少し首を動かすと首の左側に軽い痛みを感じる程度であった。
仕事など他の事に集中しているとその感覚は消失していたのだが、日数が経過すると痛みの範囲や強さ、痛みが感じられる動作が増えるようになった。
しかし、仕事が忙しかったため放置していたら、3週間前位から腕に痺れるような感覚を伴うようになった。
来院時は痺れが常時存在するような状態で、首を前後に動かすと腕への痺れが誘発されるような状態であった。
 

来院時の症状

頚部から肩、肩甲骨周囲の筋肉の緊張度がかなり強く、頚椎の可動性も悪い状態であった。
頚椎に存在するはずの前湾がなく、ストレートネックになっていた。
また、問診時などの姿勢を観察していたが、姿勢が丸く悪い状態であった。
職業柄、一日中デスクワークなどで座っていることが多く、この姿勢が悪い状態が継続的な負担となって今回のような症状を誘発し増悪させているのであろうと考えられた。

施術後の経過

初回：肩や首の軽さがかなりあり、こり感はかなり軽減した。痺れ感はあったが、施術前よりも軽減している状態であった。
2回目：初回の施術後から3日目までは軽減していたが、3日目の仕事後から症状が強く感じられ、来院時(初回から5日後)には元の状態に戻っていた。
3回目：1週間後の来院だが、痺れ感はかなり軽減した状態を維持していた。首コリなどは出ていたが、それも初回の施術前に比べると軽減した状態であった。
4回目：痺れ感はほぼ消失。1週間の間、普通に仕事をしていても腕がしびれてくるような感覚はほとんどでなくなった。しかし、何かの拍子にピリッと走るような感覚はたまに出ると訴えていた。
5回目：痺れ感は完全に1週間の間は消失。コリ感は日数が経つと少し出てくるが、初回よりも軽い状態であった。
現在は2週間間隔を空けて様子を見ているが、痺れ感は消失しているため、こり感をケアするようにメンテナンスケアを行っている。

担当　八住コメント

この方の症状は椎間板などの問題よりも頚部から肩や胸の筋肉の筋肉の緊張によって、頚部から腕に伸びている神経を圧迫する胸郭出口症候群といわれる症状の疑いがありました。
胸郭出口症候群とは姿勢が悪かったり、デスクワークなどで姿勢が固定されていたりすることが毎日続いた結果になってしまうことが多く見られます。頚部から腕を支配している神経の束は頚部前面や胸の筋肉の下を通過するので、これらの筋肉の緊張が起こっていると神経を圧迫して支配領域に神経痛を引き起こす要因となります。
このような状態は筋肉の柔軟性を高めて、その状態を維持できるように骨格のバランスを調整したり、悪くならないように姿勢を指導したりすることによって早期の改善が見込める症状のひとつです。
病院で、椎間板などの異常がみられないのに痺れがあるような状態の場合はこの可能性は十分考えられるので、いつでもご相談ください。

2018年11月04日 14:39更新