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30代女性　産後の腰痛と頻尿

30代女性　産後の腰痛と頻尿

カテゴリ：腰痛

約半年前に出産。1ヶ月前から、酷い腰痛を発症。7年前に腰椎椎間板ヘルニアになったことがあり、整形外科ではそのヘルニアが原因ではないかと言われ、コルセットをするように言われた。

腰の状態はコルセットをつけているとやや楽なきがするコルセットをつけていると骨盤と足の付け根あたりに痛みが出る。前かがみになるときや腰を反らしたとき、長時間据わっているときなど臀部付近に鋭い痛みが生じる。

またコルセットをつけるようになってから、トイレが近くなり、外出を控えなくてはならない状態に。腰の痛みにくわえてトイレの問題があることで日常生活に支障が出て困っている。2ヶ月後から職場に復帰するためそれまでにどうにかしたいとの事。

来院時の症状

左右の臀部の筋群に著明な過緊張がある
身体を反らせる動作で特に痛みが増悪する
トイレが近い。酷いときには10分に1回くらい。

朝方が最も痛みが強いが、しばらく動いていると徐々にマシになる。
入浴で痛みは軽減する。

施術後の経過

初回：臀部の筋群の緩和操作とストレッチを行ったところ、動作時の腰痛は消失。骨盤左の仙腸関節に可動性の亢進がみられたため骨盤の安定させる施術を行う。術後動作時の腰痛は消失。トイレの問題に関しては骨盤底筋のトレーニングを指導し、毎日行うよう指示した。
2回目（5日後）：腰痛は普段気にならない程度。朝方はやはり痛む。トイレは家では1時間に1回ほどで済むようになってきた。前回同様のアプローチの施術を行い、殿筋群のストレッチと骨盤を安定させるエクササイズを指導した。
3回目（2週間後）：腰痛の質が変化してきた。朝の鋭い痛みが、重くだるいような鈍痛に。痛みの程度は下がっている。日常の腰痛はなし。トイレは家の中であれば、2時間我慢できる。外出時はやはりまだ近い。
また以前よりお尻が小さくなってきた気がする（普段はいていたズボンがゆるい等）。冷え性も前ほど辛くなく、新陳代謝がよくなった気がする、とのこと。
4回目（3週間後）：腰痛はだいぶ良い。小走りになっても痛みがでない。たまに気になることがあってもストレッチで抑えられる。トイレは家なら3時間はOK。
5～7回目：腰痛はほぼ気にならない。トイレは波があるが徐々に我慢できる時間が長くなってきた。
8回目：腰痛はOK、トイレは外出時でも2時間我慢できるようになった。

担当　小川コメント

妊娠中、産後は出産に備えるためリラクシンというホルモンが出ます。このホルモンの作用によって骨盤の可動性が亢進するため、この時期は骨盤がグラグラした不安定な状態になりやすい傾向があります。
この患者さんは出産後しばらく経っていましたが、何かのきっかけで骨盤がグラグラ状態にもどってしまい、腰痛と頻尿の症状が出てしまったと考えられました。骨盤がグラグラになると骨盤の下のほうにある尿意や便意を我慢するためにつかう括約筋群の機能も下がるためです。施術のほかに、自宅ではトイレ対策として骨盤を安定させるエクササイズと骨盤底筋のトレーニングを指導し、頻繁にやってもらうようにしました。患者さん自身が真面目に取組んでくださったこともあり、順調に変化が出せています。

産前産後は女性にとって人生でもっとも激しく身体が変化する時期です。
ぜひしっかりとした産前産後ケアを行うことをオススメします。

2012年05月10日 16:28更新