15歳女性　ソフトボールでの腰痛と足首の痛み

中学3年生。3日前から前屈するときに左腰部から臀部にかけて痛みがある。バッティングや投球動作で症状が悪化する。またランニング時右足を地面についたときに右足首から足の甲にかけて痛む。酷い時は歩く時も痛い。

来院時の症状

前屈時70度以上で左腰部、臀部に痛み。
片足立ちでは左足を軸足にするときだけ、ふらつく（痛みはない）
左股関節屈筋と外旋筋群に筋緊張がみられる。
殿筋収縮時に痛みを誘発
右ふくらはぎの筋緊張とアキレス腱に圧痛、足関節の可動域が低下
右前脛骨筋に筋緊張、やや筋力の低下

施術後の経過

初回：左股関節、腰部の筋群の緩和操作とストレッチ、骨盤の関節の可動性をつける施術。右足関節、右足底、右膝関節の可動域を上げる施術とストレッチ指導。術後は前屈時に両手が床につく。
前屈時の痛みは消失。右足は走ってみて症状がどうでるか自分で確認するように伝えた。
2回目（5日後）：腰痛は消失。足首の痛みは翌日の練習中から戻ってきた。バッティングのときに痛む。「フォームがよくなったと先生からいわれた」。
3回目（20日後）：以前より痛みは減っている。バッティングやランニングのとき右足立脚期の最後で少し痛みがでる。「不安定で足首がうまく使えていない感じがする」。右膝の安定性が低下しているためランニングなどで右足首への負荷が増えた時に症状が悪化すると考え右膝のトレーニングを指示。
4回目（1ヵ月後）：腰痛、足首は痛みがない。2日前から左膝が痛い。ノックをまっているときなど中腰でとまっている時や、屈伸で痛む。下肢中心に施術を行い、術後痛みは改善。

以降、なにか困った症状が出た時のみ来院中。

担当　小川コメント

野球やソフトボール、ゴルフ、テニスなどもそうですが、バットやクラブ、ラケットなどを使うスポーツでは身体をひねる力が継続的に加わるため、特定の場所に痛みが出やすい傾向があります。（ゴルフでは左腰部、臀部などが多い）。この患者さんはまだ中学生なので術後の変化も早く、ストレッチなどもしっかりやってくれているので非常に回復がはやかったです。
　年齢とともに身体の状態は変化していくものですが、中高生など成長期の場合は早期にしっかりケアすれば回復は早いことは多いです。逆に症状を我慢して放置しておくと、慢性化して同じ症状にずっと付き合わなくてはいけなくなってしまうケースもあります。痛みを堪えてプレーするとパフォーマンスも落ちますし、別の箇所を怪我する原因にもなります。もし何か症状がある場合は、早めに処置しておくべきでしょう。

2012年03月12日 16:41更新