1週間前からのぎっくり腰と動作時の恐怖感　20代女性

 以前から慢性的な腰痛で悩んでいた。1週間前に自宅で着替えているときにぎっくり腰になった。以前、整形外科で椎間板ヘルニアがあると診断されている。

来院時の症状

腰部屈曲（腰を前に曲げる動作）20°
腰部伸展（腰を反らす動作）５°
寝返り、イスから立ち上がる、顔を洗う、長時間立ちあるくなどの動作で痛みが増悪

施術後の経過

初回：骨盤周囲の筋群の安定性が下がっている状態。痛みが強いため患部へ直接アプローチするのは避け、腰部骨盤周囲の筋群の緩和操作、PNF（神経や筋の促通法）を中心に施術。術後、屈曲可動域50°、伸展20°程度まで広がる。
2回目（2日後）：痛みの強さは6割減程度。寝返りや屈む動作では痛みが出る。前回のアプローチに加え骨盤や腰椎の関節に対しての施術を加える。またセルフケアとして臀部、大腿のストレッチを指導。
3回目（6日後）：痛みはあるが鈍痛になり、鋭い痛みは出なくなった。痛みが出そうな怖さ、不安感がある。前回のアプローチを継続。
4回目（10日後）：日常動作では痛みはない。「痛みが出そう」という恐怖感、不安感はある
5回目（15日後）：仕事に復帰できた。強い痛みはないが「痛みが出るのではないか」という怖さ、不安感がある。
以降、月に1~2回のペースでメンテナンスを続けている。

担当　コメント

このかたは仕事上、立ちあるいたり前傾姿勢をとることが多いため慢性的に腰に負荷がかかっていたそうです。また安全上の問題から少しでも腰に不安がある状態では仕事に出られないとのことでしたので、初回から期間を詰めて集中して施術を行いました。
日常的に腰に強い負荷がかかっていたためか、腰部骨盤をささえる筋群の使い方が前後で大きく崩れていました。さらに、腰痛を繰り返してきたことで痛みに対する恐怖感を強くもっていらっしゃいました。症状の寛解と恐怖感を取り除くには来院時の施術だけでは安定するのに時間がかかると判断し、患者さん自身で積極的に身体のバランスを改善させるためのアクティブケアを取り入れる方針で行いました。
皆さんそれぞれ働いている環境や暮らしている環境は異なりますので、日常的に身体にかかる負担にも違いがあります。大切なのは、日常生活のなかでご自身の身体にどのような負荷がかかる傾向があるのかを把握し、予防的に対策をとることです。毎日少しでも身体のケアをすることで痛みや辛さを予防することが重要です。

2014年04月06日 14:18更新