10代男性　サッカーによる股関節痛（グロインペイン症候群）

16歳サッカー選手。合宿での練習中に左股関節に違和感を感じるようになった。ボールを蹴る動作や、走るときに股関節の前面に鋭い痛みを感じる。酷い時には練習後に歩いているだけで股関節前面が傷む。しばらく放置していたが、右足にも同様の症状が出るようになってきたので心配になって来院。中学生のときにも同様の症状が出たことがあり、そのときはグロインペイン症候群と診断された。

来院時の症状

・左股関節前面に強い圧痛
パトリックテスト（－）
トレンデレンブルグ（－）
腸腰筋収縮時に股関節痛誘発
股関節屈筋群、内転筋群に強い緊張と圧痛

施術後の経過

初回：股関節屈筋群と内転筋群中心に施術。股関節の可動域の改善と骨盤及び下肢の筋バランスの改善。
2回目：サッカー時の痛みは半減。歩行時の痛みは消失。セルフケアとしてストレッチを指導。
3回目：痛みはほどんど出なくなった。痛みが出るときもストレッチをすれば消失する。
4回目：プレーに支障が出ない状態まで改善。

担当　小川コメント

サッカーでは股関節や足首などを痛めることが多くあります。とくに成長期ではまだ身体が出来上がっていないため関節や筋を痛めやすいです。
この患者さんは、慢性的な負荷がかかっていた股関節周囲の筋群に、合宿の練習でさらに強い負荷がかかったため耐えられなくなり、股関節周囲の筋に過度な緊張がおこったことで症状が出たと考えられます。発症後数日で来院されたので、早い段階で適切なケアが出来て、スムーズな改善が出来たと思います。

成長期のスポーツ障害は、初期に適切な対処をすることが重要です。痛みを我慢して慢性化してしまうと、プレーのパフォーマンスも低下しますし、後遺症が残る可能性もあります。早期にしっかりとした対処をすることをおススメします。

2011年10月11日 16:01更新