群発頭痛:目の奥がえぐられるような激痛から解放されるために
群発頭痛は、目の奥をえぐられるような、焼けるような激しい痛みが特徴の頭痛です。あまりの痛みに「自殺頭痛」と呼ばれることもあるほどで、日常生活に大きな影響を及ぼします。しかし、適切な治療と対策で痛みをコントロールし、より良い生活を送ることが可能です。
群発頭痛ってどんな頭痛?
- 激しい痛み:目の奥やこめかみ、頬などに集中して現れ、ほとんどの場合、頭の片側に起こります。
- 自律神経症状:痛みと同じ側の目が充血したり、涙が出たり、鼻水が出たり、鼻が詰まったりといった症状を伴うことが多いです。
- 発作の時間:15分から3時間程度と比較的短時間ですが、1日に複数回起こることもあります。
- 群発期と寛解期:数週間から数ヶ月の「群発期」に集中して発作が起こり、その後、数ヶ月から数年の「寛解期」と呼ばれる痛みのない期間に入ります。
なぜ群発頭痛が起こるの?
まだ完全に解明されていませんが、脳の奥深くにある視床下部という部分の働きが乱れることが関係していると考えられています。視床下部は、体のリズム(睡眠・覚醒、体温など)を司る大切な場所です。この乱れが、顔の感覚を司る三叉神経や血管に影響を与え、激しい痛みを引き起こすと考えられています。
また、発作時には、三叉神経の周りの血管が広がり、炎症が起きていることが分かっています。
どんな時に発作が起きやすいの?(誘発因子)
群発期には、以下のようなもので発作が誘発されやすくなります。
- アルコール:血管を広げるため、特に注意が必要です。群発期はお酒を避けるのが最も大切です。
- 喫煙:血管に悪影響を与えます。
- 急な気圧の変化:飛行機に乗る時や、天気が急に悪くなる時など。
- 特定の食品:人によってはチョコレートやチーズなどが誘発することもあります。
- 睡眠不足やストレス:体のリズムを乱しやすいため、規則正しい生活が重要です。
群発頭痛の治療法
痛みを和らげる治療と、発作が起きるのを防ぐ治療があります。
1. 痛みが起きた時の治療(急性期治療)
発作が起きたら、できるだけ早く痛みを抑えることが大切です。
- 純酸素吸入:100%の酸素を吸うことで、血管を収縮させ、痛みを和らげます。効果が高い治療法です。
- トリプタン製剤:血管を収縮させる薬で、注射薬が特に早く効きます。
2. 発作を防ぐ治療(予防治療)
群発期の発作の頻度を減らしたり、期間を短くするために行われます。
- 薬:カルシウム拮抗薬、ステロイド、抗てんかん薬などが使われます。医師の指示に従って、根気強く服用することが大切です。
- TMS治療(経頭蓋磁気刺激療法):脳に磁気刺激を与えて痛みを和らげる新しい治療法です。薬が効きにくい場合など、選択肢の一つとして検討されることがあります。
日常生活でできること
- お酒とタバコは避ける:群発期は特に、これらが発作の大きな引き金になります。
- 規則正しい生活:十分な睡眠をとり、自律神経のバランスを整えましょう。
- 頭痛ダイアリー:いつ、どんな時に、どんな頭痛が起きたかを記録すると、自分の頭痛のパターンや誘発因子が分かります。お医者さんへの説明にも役立ちます。
大切なこと:専門医への相談
群発頭痛は、他の頭痛と間違われやすいです。激しい頭痛に悩んでいる場合は、必ず頭痛専門医に相談しましょう。専門医は、あなたの症状に合った最適な診断と治療法を提案してくれます。東京頭痛クリニックなど、専門の医療機関を活用することも有効です。
群発頭痛は辛い病気ですが、決して一人で抱え込まず、適切な治療と対策で乗り越えられます。この記事が、群発頭痛に悩む方の一助となれば幸いです。